私は30代で6歳男児の母親です。家事や家族のケアに忙しい日々です。ですが産休復帰した時を思えば、今の生活はとても楽になったなと感じています。社会人として数年が経過し、仕事も一人でこなせる専門的なものが増えてきていた時期でした。ほどなくして妊娠が発覚しました。私は妊娠中に体調がすぐれないことが多く、急きょドクターストップになってしまいました。通勤には1時間ほどかかっていました。医師からはこれ以上の通勤は早産の危険が高まるからとの理由で診断書が出て、仕事へはある日突然いけなくなって今いました。職場へは早めに妊娠報告していたこともあり、引継ぎは大きなトラブルはありませんでした。私は両親がずっとフルタイムで共働きだったため、仕事をしながら働いていくことへの抵抗はなく、むしろ出産で仕事をやめるという選択肢が自分の中にはありませんでした。職場がベンチャーだったこともあり、女性の活躍を後押しするために産休育休制度の改革を大幅に進めてくれていたので、復帰することは可能でした。ですが実際に復帰してみると2つの問題にぶつかりました。1つ目は自分の体調やメンタル面でした。子供が9か月で復帰したため、まだ夜泣きがありぐっすりは眠れない状態。それでも朝5時には起きてバタバタと出勤する目まぐるしい日々でした。睡眠不足と復帰後に任された新しいプロジェクトで神経が擦り切れ、家族と言い争う日々が続いていました。2つ目は職場に時短勤務をしている社員がいなかったため、自分だけが早く帰ることへの罪悪感がありました。仕事はちゃんと努力はしている。でも周りの職員から見たら私は優遇されているように見えているのではないか。などと、自分で妄想を膨らませ時短勤務で迷惑をかけているような気持ちでした。以前の私は仕事では自分の意思を持って上司にも掛け合うガッツみたいなものがありました。しかし、復帰後は周りに気を遣うあまりに、今の私の存在は会社の迷惑かもしれないという思いがこみ上げてきて、上司や同僚に対して自分の意見を言うことが怖くなっていました。居場所がもっと無くなってしまうのではないかと不安だったのだと思います。その数年後には私と同じように職場復帰する方が増えて時短勤務者も増えました。社歴の長い方が産後復帰されたこともあり時短勤務でも遠慮せずに仕事をしてよいのだという風土が出来上がっていきました。私が産休から復帰した1年くらいの時期を思い返して、その時の私に今の私からアドバイスできることがあります。それは苦しんだことも全部その後に役に立っているから大丈夫だよということです。大手を振って歩き、自分の仕事に酔っていた時代よりも、復帰後に謙虚になって仕事した時期があったおかげで、仕事上のトラブルにも冷静に広い心で対処できるようになりました。苦手な人間関係でも、自分が一歩引いて仕事できる余裕もできました。あの時ぽっきり折れたプライドのおかげで気持ちよく働けるようになりました。人生100年時代になった今、働く時間はとても長い。ちょっとくらい谷におちても大丈夫。またかならず気持ちが上向きになってきますよ。
33歳 女性 産後復帰で余裕がもてた話
