子供を出産した日は記録的な大雪でした。私の地方ではめったに雪が降らないんです。午後から雪が降りだして、翌日には20cmを超えました。これは、実に58年ぶりの大雪でした。午前中から少しずつ陣痛が強くなり、雪がどんどん降る中、産院になんとか到着。診察の結果は、まだまだ、これから。今日は産まれないので帰っていいですよと言われました。でも、雪がどんどん降ってくるので、翌日、来れるかわからない。そのまま、産院にいさせてもらうことにしました。それから、どんどんと陣痛が強くなって数時間後には破水。夜には無事産まれました。帰らなくて良かったんです。雪のおかげですね。小さな産院で、いつもは同じ日に重なることが少なく、部屋もあっさりと個室が予約できていました。でも、この大雪の日、私みたいなパターンが他にもたくさんいたんです。なんと8人連続で産まれました。雪も記録でしたが、その産院でも記録となりました。夫が付き添いで病室に泊まる予定でしたが、陣痛室で泊まることに。次の人はキッズルームに寝かされていました。とにかく、産院が大騒ぎ。医師や助産師さん達もすごく疲れていました。陣痛室で泊まるのは、ベッドが狭くて窓からの冷気は寒く、辛かったですね。授乳室もいつも満員。何もかも足りなくて、順番待ちのような感じでした。結局、予約していた病室に泊まれたのは、最後の一日だけでした。とても広くて快適でした。その分、とても安くしてもらえましたが、やっぱり残念でした。ただ、良いこともあって、この時の8人中5人がママ友となり、その後も定期的に集まっていました。同じ日に誕生日で1歳の誕生会も一緒にしました。一緒に成長を楽しみ、相談しあえる仲間ができて心強かったです。そして、翌日目覚めた時の、朝の景色が忘れられません。病室から見た景色が真っ白の銀世界。とても、キラキラとしていました。これから新しいスタートをきるには、ピッタリだと思いました。子供の誕生日が来ると、大雪の日に産まれたんだよ、といつも話しています。雪が積もった日には、出産の時の気持ちを思い出します。子育て、いろいろと大変なことは多いけど、初心に戻り、あの時の幸せを思い出すと頑張れました。
35歳・女性・銀世界からの新しい人生のスタート
