私は妊娠、出産を一度経験しました。妊娠中は、生まれてくる子供は、どんな感じか、どのような子育てをしようかと、とても沢山のことを考えて、病院に通い、とても穏やかで、ゆっくりとした素敵な時間を過ごしました。つわりは結構ひどい方で、毎日布団の中で過ごすだけの日々でしたが、妊娠六ヶ月を過ぎた頃から、少しずつ立ち上がることが出来るようになり、その頃からはだいぶ楽にはなりました。生産期になり、いよいよ陣痛が始まり、その日はたまたま、休日で、家に旦那もいたので、陣痛の波を上手に乗り越えながら、旦那に、全身をさすってもらい、病院に行く準備や移動をしました。そして、病院に行く時に家を出ながら、ハンドタオルを持ってきてて!と言い、旦那が準備をしてくれていました。病院に行ったら、陣痛室で、陣痛を感じながら、思いっきり頑張りました。汗が吹き出ているのをみて、旦那がタオルで拭いてくれていたのですが、水をかけて!と言うと、旦那が、私の顔に水をかけて!と言ったのだと勘違いしたようで、ペットボトルの水をどばっと!と私の顔にかけてきました。陣痛痛くてで死にそうなのに、違う!と怒り、また陣痛が少し弱くなったタイミングで、タオルで拭いて!水タオルで!というと、やっと理解できたようで、その指示通りに動いてくれました。そこで、そのタオルの感じが、なんだかゴワゴワしていたので、見てみると、なんと、それは雑巾だったのです。もう、起こる力もなく、それ雑巾、とだけ告げました。ずっと付き添ってくれている助産師さんも、私と旦那のやり取りに、先程からクスクスと笑っていて、その場の雰囲気が、とても朗らかになってはいました。旦那は、家を出る時に、あまりにもパニックで、わからなくなってしまっていた、と、後ほどになって聞かされました。また、水を顔にかけるのも、おかしいとは思ったけど、私があまりにもきつそうで、汗もかいているので、そんなこともあるかと思ったとのことでした。そんな面白いエピソードの中、私は安産しました。
35歳女性 陣痛の苦しみの中の、旦那の珍話
