こんなことってあるの?出産のセキララ告白

34歳女 母の出産に立ち会った、幼いあの日の思い出

30代主婦です。

9歳の頃、母の出産に立ち会いをしました。

歳の離れた弟が生まれてくることを今か今かと楽しみにしていた私でしたが、こどもの私には「立ち会い出産」という概念がなく、ましてそれを自分が体験することになるとは勿論思っていませんでした。

立ち会いをするしないの選択権もなく、なにがなんなのかもわからず、父と共に分娩室に通され、それは始まりました。

分娩室に入る前、陣痛室でも母の苦しそうな様子に私はすっかり怯えてしまっていて、お母さん大丈夫?痛いの?生まれる?と繰り返すだけになっていましたが、その後分娩室で見た光景はそれ以上で、ある意味トラウマといってもいいほどの衝撃的な体験でした。

あんなに苦しそうな母を見たのは初めてでしたし、こどもを産むということがこんなに時間がかかることだとも知りませんでした。

(今思えば、初産ではありませんのでまだ比較的時間はかからなかった方のようですが、こどもの私には本当に永遠のように長い時間に感じられました)普段朗らかで呑気な父の、思い詰めたような真剣な顔も、もしかしたら初めて見たのはあの日だったかもしれません。

お母さんがんばって、がんばって、と言いながら、それしか言えない自分の情けなさと、苦しそうな母を見る辛さで、私はほとんど泣いていました。

早く弟に会いたくて、「まだ生まれないのー?」「ねえまだー?」「今日生まれるー?」「明日生まれるー?」と毎日母に急かすように言っていましたが、こんなに大変だなんて。

私もこうやって生まれてきたんだ。

それは奇妙な感動だったようにも思います。

けどとにかくその時は目の前の辛そうな母に早く楽になって欲しくて、絶叫にも近い母の声を聞くのも辛くて、早く生まれて、早く早く早く…と願っていました。

そうして数時間かかって生まれてきた弟を見た時のことは一生忘れません。

「ちっちゃ!」「赤い!」「猿みたい!」
びっくりしてそう叫ぶ私に、ぐったりして汗びっしょりの母が力なく微笑んでくれました。

とても綺麗でした。